2011-01-01から1年間の記事一覧

不動産は「物語力」で再生する 川井徳子著

著者である川井徳子さんの人生と事業の再生を通じて体験された数々のエピソードを交え、再生の鍵は「物語力」にあると説く、これからの自分の人生に必要なヒントがたくさん凝縮された内容でした。 その「物語力」は、自分の中だけで物語を完成させていくもの…

ユーロ危機と超円高恐慌

岩田規久男先生の新著。 第1章から3章まではユーロ危機の実情と今後の行く末を懐疑的に解説。最適通貨圏理論からいまのユーロ圏、特に南欧諸国は最適通貨圏ではなく、ユーロ体制を維持するためには、いまのユーロ17ヶ国から独仏を中心にした5ヵ国が最適だろ…

もうダマされないための「科学」講義 菊池誠 松永和紀 伊勢田哲治 平川秀幸 飯田泰之+SYNODOS編

「科学」ってなんだろう?という問いには明確な答えはないのかもしれない。でも、科学を避けていくこともできないし、過信してもいけないし、疑いすぎてもいけない。しかし、今の世の中で「科学」について考え、科学的に考えて、いろいろと起こる問題に向き…

ダブル増税 大義はあるか 2011.10.12朝日新聞 朝刊13面

2011.10.12の朝陽新聞の朝刊13面オピニオン欄に「ダブル増税 大義はあるか」と題し、(以下「」内引用)「野田政権が推し進める震災復興のための9.2兆円の臨時増税案。その先には社会保障財源のための消費増税が控えている。デフレ不況が続くなか、二重の増…

風評被害 そのメカニズムを考える 関谷直也著

風評被害という言葉を耳にするようになったのはいつごろからだろうと思いつつ、今回の東日本大震災でこれほどまで風評被害という言葉の露出度が高まったのは間違いないのではないだろうか。では、風評被害とはなんだろう? 12年間にわたり社会科学的に研究を…

検証 東日本大震災の流言・デマ 荻上チキ著

流言・デマはいつの時代でもなくならないものであり、時として人の命にも影響を及ぼしかねないもの。今回の東日本大震災においても、流言・デマの類が数多く見受けられ、特にネットが発達したこの社会でその拡散スピードも速くなり、誤った情報が拡散されそ…

Made by Hand ポンコツDIYで自分を取り戻す Mark Frauenfelder著 金井哲也訳

この本読むと、自分もDIYやってみようかなと心をくすぐられるかも。 朝日新聞に掲載されていた山形浩生さんの書評を読んだがきかっけで手にとった同書。 http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011082100009.html DIYを始めるには結構勇気がいるかもしれ…

科学的とはどういう意味か 森博嗣著

著者の森博嗣さんって人が結構売れっ子の小説家とはこの新書を手にするまで知らなかったんですが、やはりものを書くプロということもあるのか、「科学(的)」ということがどういことなのかを理解するには、とてもよい入門書じゃないかと思った。同書は日ご…

この世でいちばん大事な「カネ」の話 西原理恵子著

どんなときでも、働くこと、働きつづけることが「希望」になる。西原さんがご自身の実体験から得た一つの結論が、「希望」を持ち続けること。 貧しさは連鎖する。貧乏はどうあがいても治ならい「不治の病」。そして、貧乏からは抜け出せないと諦め、「希望」…

震災恐慌 田中秀臣・上念司共著

ブログ更新をさぼっていましたが、少し前に読了した田中秀臣先生と上念司さんの対談形式で、この大震災に端を発する大不況への警鐘を鳴らす共著「震災恐慌 経済無策で恐慌がくる!」の読書感想文を書いてみた。今回の3・11大震災後の日本経済が確実に復活す…

経済復興 大震災から立ち上がる 岩田規久男著

3月11日に発生した東日本大震災からの復興をテーマに過去の三大危機である、関東大震災、戦後、阪神・淡路大震災からの復興を振り返りながら、復興に必要な財源問題、広範囲に広がった被災地の新しい街づくり、そして原発問題に端を発するエネルギー政策につ…

海賊の経済学 ピーター・T・リーソン著 山形浩生訳

「海賊は合理的な経済人だった!面白くてしかもためになる。レヴィットらの『ヤバい経済学』に続くひさびさに痛快な経済書だ。」と、経済学者の若田部昌澄氏も絶賛とする同書。 これを読めば、海賊マニアになること間違いなし。そして、海賊の経済学の崇拝者…

【朝日新聞】オピニオン欄 八田達夫氏『「独占」の弊害なくす契機』

4月12日付け朝日新聞朝刊のオピニオン欄に計画停電をテーマに、八田達夫氏が寄稿されていた内容が自分にとっては大変参考になったので、こちらに記録の意味も兼ねて転記してみた。 なお、転記部分は引用欄に、引用ごとの記述は小職の雑感ですので、気になさ…

フォールト・ラインズ ラグラム・ラジャン著

インド生まれで、元IMFのチーフエコノミストの著者ラジャン氏の話題になっている翻訳本を読んでみた。 ラジャン氏の名前を知ったのは、竹森俊平著「資本主義は嫌いですか」で、2005年のジャクソンホールでの当時のFRB議長アラン・グリーンスパンが最後の参加…

デフレと超円高 岩田規久男著

岩田先生は、すごく怒っていた! 3月2日に新宿紀伊國屋ホールで開催された同先生の最新著書「デフレと超円高」の講演会を拝聴してきました。 第1部では、岩田先生の講演。 第2部は、飛び入り参加の飯田泰之先生が司会を務めた岩田先生、若田部昌澄先生と鈴木…

競争の作法 齊藤誠著

なぜこの本を読もうと思ったのか、はっきりした理由はよく分からない。 たまたま新聞広告にあった同書にふと目が止まった程度の理由だったと思う。 なんともすっきりしない読後感があり、あえて読書感想文を書こうと思った次第です。同書の大半は、以下の2点…

経済学的思考のすすめ 岩田規久男著

岩田先生の新著を読んでみた。 今回の題材になっているのが、辛坊治郎・正記著の「日本経済の真実―ある日、この国は破産します」である。私は、書店でトンデモ臭がプンプンしており端から敬遠していたので、読んだことはないが、岩田先生は隅々まで読まれた…

通貨混迷の先は(2011年2月5日付朝日新聞朝刊)

朝日新聞に「通貨混迷の先は」と題し、竹森俊平氏と行天豊雄氏のそれぞれのインタビューが掲載されていた。 特に、竹森氏のそれが現状の通貨変動について分かりやすく、的を得た内容だったので、記録としてブログにアップしてみた。以下、その内容です。 昨…

不謹慎な経済学 田中秀臣著

著者の最新刊「AKB48の経済学」の中でこの2008年2月初版の「不謹慎な経済学」に触れていたので、気になり読んでみた。 タイトルにある「不謹慎」という文字が気になるが、同書を執筆した著者の意図は一般の人々に「経済学」への正しい認識を持ってもらおうと…