少し前に「不平等論」ハリー・G・フランクファート著(山形浩生訳・解説)を読んだきっかけで知ることになった「うんこな議論」なるすげぇインパクトのあるタイトルの本を読んでみた。 現代社会はうんこまみれ、(失礼)いやうんこな議論や屁のごとき理屈に…
勝川俊雄先生の著書を初読み。 意外と知られていない漁業の実態をわかりやすく解説されており、的確に問題提起をされています。戦後、動物性たんぱく質の源として海洋国家である日本の資源であった魚が注目され、一気に漁業が盛んになり、世界一の漁業国とな…
久々にVoice(10月号)を購入した。 チェックしたかった記事は、「特集 これでいいのうか、アベノミクス」片岡剛士氏の「リフレ政策を再起動させよ」だ。 2015年の4−6、7−9、10−12そして2016年1−3、4−6のGDPの実績数値から見ていくと、民間消費、民間投資、…
I translate an article from The Japan Times on March 23, "Nobel laureate Krugman calls for tax hike delay, stimulus measures" This article source is as follow:http://www.japantimes.co.jp/news/2016/03/23/business/economy-business/nobel-lau…
Twitterで田中秀臣先生@hidetomitanakaのつぶやきで同書の書評(日経ビジネスオンラインへの投稿記事:http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081128/178627/)を拝見し、読む機会を得た。 著者の山野良一さんは、児童福祉司に従事され国内だけで…
経済学はなんだか難しそう、経済ってそもそもなんだろう?という方にはお勧めの一冊です。若田部先生が、難解な数式やデータではなく、わかりやすい言葉で講義を進めてくれます。特に、歴史を知る、歴史に学ぶという視点で世界大恐慌や日本の高度成長期、バ…
3.11の震災以降、さらに深刻になった円高ですが、今年の2月14日の日銀の金融政策決定会合で発表された「物価上昇率の目途」として1%になるまで金融緩和を行うとしたことで、円安方向へ振れたのも束の間、その後の日銀の金融政策に大きな変化もなく市場の…
超円高が定着している日本経済ですが、なぜ円高になっているんでしょうか?ニュースなどを見ていると時折、円高のメリットとして海外旅行が得になるとか輸入品が安く買えるとか、企業などは海外企業を買収しやすくなるとか、政府もこのような企業を支援する…
著者である川井徳子さんの人生と事業の再生を通じて体験された数々のエピソードを交え、再生の鍵は「物語力」にあると説く、これからの自分の人生に必要なヒントがたくさん凝縮された内容でした。 その「物語力」は、自分の中だけで物語を完成させていくもの…
岩田規久男先生の新著。 第1章から3章まではユーロ危機の実情と今後の行く末を懐疑的に解説。最適通貨圏理論からいまのユーロ圏、特に南欧諸国は最適通貨圏ではなく、ユーロ体制を維持するためには、いまのユーロ17ヶ国から独仏を中心にした5ヵ国が最適だろ…
「科学」ってなんだろう?という問いには明確な答えはないのかもしれない。でも、科学を避けていくこともできないし、過信してもいけないし、疑いすぎてもいけない。しかし、今の世の中で「科学」について考え、科学的に考えて、いろいろと起こる問題に向き…
2011.10.12の朝陽新聞の朝刊13面オピニオン欄に「ダブル増税 大義はあるか」と題し、(以下「」内引用)「野田政権が推し進める震災復興のための9.2兆円の臨時増税案。その先には社会保障財源のための消費増税が控えている。デフレ不況が続くなか、二重の増…
風評被害という言葉を耳にするようになったのはいつごろからだろうと思いつつ、今回の東日本大震災でこれほどまで風評被害という言葉の露出度が高まったのは間違いないのではないだろうか。では、風評被害とはなんだろう? 12年間にわたり社会科学的に研究を…
流言・デマはいつの時代でもなくならないものであり、時として人の命にも影響を及ぼしかねないもの。今回の東日本大震災においても、流言・デマの類が数多く見受けられ、特にネットが発達したこの社会でその拡散スピードも速くなり、誤った情報が拡散されそ…
この本読むと、自分もDIYやってみようかなと心をくすぐられるかも。 朝日新聞に掲載されていた山形浩生さんの書評を読んだがきかっけで手にとった同書。 http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011082100009.html DIYを始めるには結構勇気がいるかもしれ…
著者の森博嗣さんって人が結構売れっ子の小説家とはこの新書を手にするまで知らなかったんですが、やはりものを書くプロということもあるのか、「科学(的)」ということがどういことなのかを理解するには、とてもよい入門書じゃないかと思った。同書は日ご…
どんなときでも、働くこと、働きつづけることが「希望」になる。西原さんがご自身の実体験から得た一つの結論が、「希望」を持ち続けること。 貧しさは連鎖する。貧乏はどうあがいても治ならい「不治の病」。そして、貧乏からは抜け出せないと諦め、「希望」…
ブログ更新をさぼっていましたが、少し前に読了した田中秀臣先生と上念司さんの対談形式で、この大震災に端を発する大不況への警鐘を鳴らす共著「震災恐慌 経済無策で恐慌がくる!」の読書感想文を書いてみた。今回の3・11大震災後の日本経済が確実に復活す…
3月11日に発生した東日本大震災からの復興をテーマに過去の三大危機である、関東大震災、戦後、阪神・淡路大震災からの復興を振り返りながら、復興に必要な財源問題、広範囲に広がった被災地の新しい街づくり、そして原発問題に端を発するエネルギー政策につ…
「海賊は合理的な経済人だった!面白くてしかもためになる。レヴィットらの『ヤバい経済学』に続くひさびさに痛快な経済書だ。」と、経済学者の若田部昌澄氏も絶賛とする同書。 これを読めば、海賊マニアになること間違いなし。そして、海賊の経済学の崇拝者…
4月12日付け朝日新聞朝刊のオピニオン欄に計画停電をテーマに、八田達夫氏が寄稿されていた内容が自分にとっては大変参考になったので、こちらに記録の意味も兼ねて転記してみた。 なお、転記部分は引用欄に、引用ごとの記述は小職の雑感ですので、気になさ…
インド生まれで、元IMFのチーフエコノミストの著者ラジャン氏の話題になっている翻訳本を読んでみた。 ラジャン氏の名前を知ったのは、竹森俊平著「資本主義は嫌いですか」で、2005年のジャクソンホールでの当時のFRB議長アラン・グリーンスパンが最後の参加…
岩田先生は、すごく怒っていた! 3月2日に新宿紀伊國屋ホールで開催された同先生の最新著書「デフレと超円高」の講演会を拝聴してきました。 第1部では、岩田先生の講演。 第2部は、飛び入り参加の飯田泰之先生が司会を務めた岩田先生、若田部昌澄先生と鈴木…
なぜこの本を読もうと思ったのか、はっきりした理由はよく分からない。 たまたま新聞広告にあった同書にふと目が止まった程度の理由だったと思う。 なんともすっきりしない読後感があり、あえて読書感想文を書こうと思った次第です。同書の大半は、以下の2点…
岩田先生の新著を読んでみた。 今回の題材になっているのが、辛坊治郎・正記著の「日本経済の真実―ある日、この国は破産します」である。私は、書店でトンデモ臭がプンプンしており端から敬遠していたので、読んだことはないが、岩田先生は隅々まで読まれた…
朝日新聞に「通貨混迷の先は」と題し、竹森俊平氏と行天豊雄氏のそれぞれのインタビューが掲載されていた。 特に、竹森氏のそれが現状の通貨変動について分かりやすく、的を得た内容だったので、記録としてブログにアップしてみた。以下、その内容です。 昨…
著者の最新刊「AKB48の経済学」の中でこの2008年2月初版の「不謹慎な経済学」に触れていたので、気になり読んでみた。 タイトルにある「不謹慎」という文字が気になるが、同書を執筆した著者の意図は一般の人々に「経済学」への正しい認識を持ってもらおうと…
同書の副題は「メディアと幸福につきあうために」。 メディア・リテラシーについて、3人のそれぞれ違う分野の著者が1〜3章にそれぞれに論じている。 「ダメ情報の見分けかた」というタイトルからすると、情報氾濫社会を生きる我々にそのあらゆる情報に(メデ…
著者である田中先生の前著「デフレ不況 日本銀行の大罪」では、現状の日本経済の低迷の原因が日本銀行の誤った金融政策であると辛辣な批判を展開されていたが、今回の「AKB48の経済学」でも随所にその主張がみれます。 ただ、タイトルの通り内容の主役は、今…
今週のエコノミストの「論壇回顧」という特集記事中に「恐慌学者バーナンキの手にも余る世界不況QE2に懐疑的なアメリカの経済学者たち」と題し、九州大学准教授の荒川章義氏という方が寄稿されており、面白かったので要約をアップしてみた。冒頭でFRBの元金…